今冬はエルニーニョ現象によって大雨が予想される、といわれていますね。そのニュースをお聞きになった方もたくさんいるのではないでしょうか。干ばつが続くカリフォルニアにとってはとてもいい知らせのように思う方もいるかもしれませんが、実は恵みの雨と同時に様々なな問題を引き起こす可能性も高いのです。
まず、雨が降ったときとのお決まりですが、大量のゴミと汚染物質がビーチに流れ着きます。 また、大量に雨が降るということは洪水や土砂崩れなどが起こるとも予想されます。
ということで、今週11日から17日までをHeal the Bayではエルニーニョウィークと題して毎日エルニーニョに関するブログを更新するほか、サンタモニカピア水族館ではイベントを開催します。予定はこちらの通り。
英語のブログは予定にあるとおり毎日更新されるので興味のある方は是非、チェックして下さい!
今回はエルニーニョ現象とは何か、という基本的な事柄から見ていきましょう。
エルニーニョ現象とは?
エルニーニョ現象とは、地球全体の気候に影響をもたらす気候イベントのことです。太平洋の海面水温が1年以上平年より高い状態になるとエルニーニョ現象が引き起こされます。世界中に大きな気候変動を起こしますが、アメリカでいうと南西部に大雨をもたらします。
参考になるサイト:
気象庁:http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/whatiselnino.html
地球温暖化原因や対策について:http://www.plus-ondanka.net/a06_elnino.html
いつエルニーニョが起こるとされている?
今年2015年の秋の終わりから冬にかけて起こるとされています。例年以上に湿度の高い夏、7月の雷雨などもエルニーニョ現象の前兆です。
エルニーニョ現象によってたくさん雨が降るっていわれているけど、本当?
エルニーニョ現象だからといって絶対に雨が降るともいえないのが本当のところです。エルニーニョ現象であったとしても雨が降らなかった年もあるため、雨が降る・降らないという両サイドのディスカッションがされているのです。
一番最近のエルニーニョ現象化で南カリフォルニアに大雨をもたらしたのは1997-98年でした。今夏の海の平均海面温度が過去大雨をもたらした97年と同じなので、今年のエルニーニョは大雨をもたらすのではないかと予想されています。
どのくらいの雨が降るの?
過去最強であった1997年のエルニーニョによってもたらされた雨は右のグラフの通りです。1998年の2月、ダウンタウンLAで観測された雨量は1ヶ月で13.68インチ(約34.74センチ)でした。この1ヶ月だけで一年に降る平均雨量と同じくらいだったというのだからびっくりな量が降ったということになりますね。今年が1997-87年に起こった現象と全く同じであればこの倍降るかもしれないとも言われていますが、雨がどのくらい降るかというのは風向きによって決まるので今の時点ではなんともいえないのです。こういったことからも実際になってみるまでどのくらい強い影響が出るのかというのは完全に予想できるものではないのです。
LA内でどこが一番強く影響を受けると予想されている?
先ほど述べたようにどのくらい雨をもたらすのかははっきりとはわかりませんが、もし大量の雨をもたらした場合、土砂崩れの危険性が高いとされる近所が一番の被害を被ることになるでしょう。また家の近くにある雨水排水路が詰まっている近所は洪水の被害を被る可能性が高くなります。もし、排水路がゴミで詰まっているのを見つけた場合は市に連絡してゴミを取り除いてもらいましょう。連絡先はこちら:Storm Drain Hotline at (800) 974-9794
もし雨が降ったら干ばつは解決するの?
残念ながら解決にはなりません。カリフォルニアには43ミリオンエイカーフィートの水をためておくことができるとされていますが、その75%を貯水できるカリフォルニア最大のダムはサンフランシスコとLAのちょうど中間点に位置するフレズノという街にあり、エルニーニョによって雨がもたらされても、そのほとんどが南カリフォルニアに降ると予想されているので雨が降ってもフレズノのダムには水が満タンまでたまらないのではないかと予想されます。また、今現在南カリフォルニアには雨をためておくタンクなどの設備が整っていないため、せっかく雨が降っても海に流れていってしまいます。一時的には効果があっても4年続く干ばつを一度に解決してくれる、というわけではなさそうです。
さて、ここまでエルニーニョ現象について書いてきましたが最後に雨が降ったときのルール3つを書いて終わりにします。
1.雨が降ったあと72時間は海に入らないこと(すぐあとは波が強かったり、ゴミや汚れが海岸近くにまだある可能性が高いので天気がよくてもちょっと我慢しましょう)
2.雨水排水路の出口、ピアや囲まれていて水の回りがよくない場所は避けること(そこに汚染されたものがたまっている可能性があります!)
3.Heal the Bayの発行している ビーチリポートを確認して水質を確認してから海に入りましょう!
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